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留学を通し、日本の外側を自分の目で見て、英語力はもちろんのこと、自分の中の価値観が広がりました。
世界各地からの移民が多い多文化社会のオーストラリアでは、学校にも様々な国出身の生徒がおり、その数は地域によって全校生徒の半分を占めるほどです。
日本でただ机に向かっているだけでは決して学べなかった沢山の事を、様々な人種の心優しい方達から学びました。
一年間、それも高校生時代にこのような貴重な経験をできたことは私の大切な財産であり、今後に活かせる武器でもあると思っています。
もちろん、大変だと感じる時もあるのが留学ですが、そのような事を乗り越えて得るものは何物にも代えがたく、苦労をしてでも自分の身にする価値があると思います。
また、留学をやり切ったことで、これから起こり得ることにも自信を持って立ち向かえる気がします。
頼れる友人や信頼できる先生達・ホストファミリーにいつでも助けを求める事ができた環境も、留学中に自分の目標を全う出来たことにつながっており、その方々に感謝の気持ちでいっぱいです。

留学中最も印象的で忘れられない出来事があります。
陸上部での練習中のことです。足の遅い友人が長距離走の選手として、タイムを意に介する様子もなく練習を続けていることに疑問を覚え、それを別の友人に何気なく訪ねました。
すると友人は、私が彼の選択について無意識にせよ批判的に干渉しているとしてひどく憤慨したのです。私にとってカルチャーショックとも言える強烈な経験でした。
それまでの私は、勝利、段取り、タイムを追求するといった日本の高校の部活動の求道的・成果主義的な価値観に囚われていたのかもしれません。
ここアメリカは個のあり方・個性を尊重することに何よりも高い価値を置くリベラルな地なのだと友人は訴えたかったのでしょう。
この出来事を機に私は、異なりを避け付和をもってよしとする日本的価値観を相対化し、多様性を認め、思想や表現、選択の自由というこの権利を尊ぶアメリカ的価値観を肌で感じることができました。